𓈒𓏸かみさまの木𓈒𓏸
深い森の中に神様の木と呼ばれる一本のぶどうの木がありました
その神様の木には瑞々しく美味しそうなぶどうがたわわに実っていました
ある日、一匹のキツネがやってきて
一晩のうちにたくさんあったぶどうをみんな食べてしまいました
そんなことは知らずにいた森に住むリスや鳥や動物達は「一年に一度だけ特別な日」と名付けたお祭りをしに神様の木のところまでやってきました
しかし、キツネがみんな平らげてしまったので楽しみにしていたぶどうの実はもう何もありませんでした
動物達はその光景を見て泣きました
そしてお腹いっぱいになって寝転んでいたキツネを見つけると怒りとそれ以上に悲しい気持ちが湧き上がりキツネを無理矢理起こしてわけを聞きました
キツネは自分がしてしまったことを心から後悔してみんなに詫びてこう言いました
ぼくの住むところには食べ物が全くなくてみんな毎日不安いっぱいで暮らしています
今日食べなければ明日は死んでしまう
そう思うとあるだけ食べてしまったんです
みんなが大切にしていたなんて知らなくて本当にごめんなさい
キツネは素直にそして深々と頭を下げて謝りました
キツネの話を聞いた森のみんなは何だかもっと悲しくなり一緒に大泣きました
♪どうしたらみんなで幸せに暮らしていけるかここで考えよう🎵
陽気な小鳥が歌にしていいました
みんなは神様の木の下でまあるくなって話し合いました
キツネも一緒です
一部始終を見ていた神様の木は
大地の神様に相談しました
この愛おしい者たちに何をしてあげれば良いのだろう…
次の日の朝
神様の木は鈴なりのぶどうの実でいっぱいにしていました
でも前とちょっぴり違ったのは
食べても無くならない実でした
それは大地の神様と神様の木からの素敵な贈り物でした
「安心してね」
とどこからか優しい声がしました
〜アメジストエレスチャル〜
神さまのギフト
豊かさと安心感を与えてくれる石